KOBITブログ
KOBITのブログ記事を「6つの視点」で評価する
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小川卓です。
2017年も残り半月。今回は2017年のKOBITブログの記事をアクセス解析してみます。いくつかの視点でデータを確認していきましょう。メディアやブログをお持ちの方の参考になれば幸いです。
目次
視点1:ブログ全体としての傾向
まずは単純にブログのアクセス数の推移を見てみましょう。本サイトでは、ブログ以外のKOBIT本体のサイトも含めたGoogle アナリティクスのプロパティになっているため、ページレポートで「archives(ブログ記事に含まれるURL)」で絞り込みを行いました。
※12月のみ1日~15日となっているためアクセス数が減って見えます。
●ページビュー数や訪問回数が+170%(なので前年比2.7倍)と大きく増加
●直帰率はほぼ変わらないが離脱率は改善、滞在時間も2割ほど増加
と全体的に昨年比較で伸びていることがわかります。
週単位でも見ておきましょう。
いくつかピークとなっている週がありますね。
●2016年:10月30日週・11月13日週
●2017年:3月26日週・7月30日週・9月3日週
この辺りで書かれた記事がどうやら影響がありそうです。ということで次に記事単位の数値を見てみましょう
視点2:ピークとなった記事の特定
アクセス数が増えた週では何が起きていたのか?貢献した記事を把握してみましょう。該当週の記事ごとのページビュー数を前週と比較することで原因を特定できます。
例えば2016年10月30日週を前の週と比較すると…
archives/5642というURLの記事が大きく伸びていることがわかります。こちらの記事でブログのページビュー数の70.94%を稼いでいます。実際の記事は以下の通りでした。
【保存版】Search ConsoleでSEO対策 コンテンツ洗練化の9ステップ
https://kobit.in//archives/5642
このようにサイトの流入に大きく貢献した記事を発見することで、ニーズを把握することができます。他の日付に関しても記載をしておきました。
週 | 記事名 | 週のブログPV貢献比率 |
2016年10月30日週 | 【保存版】Search ConsoleでSEO対策 コンテンツ洗練化の9ステップ | 70.94% |
2016年11月13日週 | Googleアカウントがあれば誰でもすぐに使える!Googleの無料アプリ分析ツール「Firebase」の公式デモアカウントが登場 | 32.51% |
2017年3月26日週 | ウェブ解析士ってどんな職業?上級ウェブ解析士に会って聞いてみた | 34.71% |
2017年7月30日週 | コンテンツマーケティングにおいて必要な6つのGoogle Analyticsデータと機能 | 37.78% |
2017年9月3日週 | Google アナリティクスの新しい計測タグ「gtag.js (BETA)」が登場! | 37.88% |
視点3:流入元の変化も確認してみよう
流入元の内訳や新たに増えた流入元がないか。こちらもチェックしてみるとよいでしょう。まずは、大きな分類(チャネル単位)での流入の内訳です(2017年1月1日~2017年12月15日)。
特にオーガニックの流入が伸びていることがわかります。全体の流入比率で見ても、58.4% (2016年) ⇒ 69.7% (2017年)とシェアが増えていました。
また検索エンジン・ソーシャルを除いた流入元を見ることで、どういったサイトにリンクを貼っていただき流入に繋がっているかを確認できます。こちら上位15件になります(2017年1月1日~2017年12月15日)。
解析系のブログやサイト、ニュースサイト、ブックマークサービス等が入っていることがわかります(アクセス解析に携わっている方であればなじみ深いものが多いかと)。
視点4:記事単位の評価を行う
記事ごとの評価も行ってみましょう。主にみるべきポイントは3つです。「訪問数」「離脱率」「目標への貢献」になります。目標への貢献に関しては視点6で触れます。まずは訪問数と離脱率です(2017年1月1日~2017年12月15日)。
Google アナリティクスの新しい計測タグ「gtag.js (BETA)」が登場!の記事がブログ全体の5.25%の訪問回数となっており、2位の記事の2.5倍ほどありました。他にも様々なタイプの記事が並んでいます。Google アナリティクスの4つ、ベスト10に入っておりニーズが高いこともわかります。
また離脱率が相対的に低い(80%未満)の記事が、9位と10位の記事になります。これらの記事がなぜ離脱率が低いのか、記事のレイアウトやリンクの貼り方などを参考にしてみるのもよいでしょう。
視点5:初月率で普遍的なニーズのある記事を探す
初月率とは、「記事を公開してから最初の1か月間の訪問数」÷「記事を公開してから最初の●か月間の訪問数」で計算されるものです。●は3か月・半年・1年などが良いでしょう。
この初月率が高いほど、最初の月にアクセスはあったが、それ以降はニーズが少なかった「時事性が高い記事」となり、初月率が低い程、「普遍性が高い記事」となります。それでは訪問回数が多かった上位10記事に対して、数値を見てみましょう。
※データの出し方:記事の日ごとの訪問回数を取得し、最初の30日の訪問数 ÷ 最初の●●日の訪問数という形で計算をします。
※計測不可=公開日から該当日数が経過していないため数値が算出できないことを意味します。
非常に特徴がある結果となりました。
初月÷3か月で見たときに初月率が高いのは「ウェブ解析士ってどんな職業?上級ウェブ解析士に会って聞いてみた」そして「コンテンツマーケティングにおいて必要な6つのGoogle Analyticsデータと機能」という2つの記事でした。特にウェブ解析士の記事に関してはかなり初期によっているのが印象的でした。また後者の記事に関しては、初月÷6か月で一気に比率が下がるのが印象的です。これは記事を公開してから4か月~6か月目の間に流入が一気に増えたというのが原因でした。どこかで取り上げられたのか、検索順位の影響なのか調べてみても面白いですね。
逆に「広告効果を測定したい?Google AdWordsにおけるコンバージョンタグの使い方」の初月率は非常に低く、安定して流入がある記事の代表格でした。また特徴的なのは、「マンガでわかるGoogleアナリティクス 序章 「インターンシップ先は問題だらけ!?」」です。初月÷3か月と初月÷6か月でほとんど数値が変わりません。これは、新しい章をアップするたびに、序章の閲覧が増えるため、割合として変わらないというパターンです。
このように初月率を見ることで記事の特性や、分析するべきポイントが見えてきます。ぜひほかの記事も評価してみてください。
視点6:成果への貢献を見る
記事を見ていただけることはありがたいことですが、そこから成果につながっているのか?これも大切になります。今回は記事の下部にある「Google Analytics完全ガイド」のダウンロードを成果として定義してみました。
これらのダウンロードに貢献した上位10記事は以下の通りでした(2017年1月1日~2017年12月15日)。
記事のアクセスランキングとも似ている部分がありますが、それ以上に「マンガでわかるGoogle アナリティクス」が大きく貢献していることがわかります。記事内容と対象者がダウンロードにあっていたのでしょう。
まとめ
様々な視点でブログ記事の評価を行ってきました。皆さんにとって参考になる内容があれば幸いです!ぜひ、気になるものがあればぜひ皆さんのブログやメディアで分析してみてはいかがでしょうか?
<余談>
ちなみに今年アクセスが一番多かった記事「Google アナリティクスの新しい計測タグ「gtag.js (BETA)」が登場!」は筆者が書いたものです(笑)またダウンロード上位10記事の内3つが筆者記事でした。というわけで、少しは貢献できたのか…と思っております。また来年もよろしくお願いいたします。
</余談>
【著者プロフィール】
小川 卓(おがわ たく)
ウェブアナリストとして、マイクロソフト・ウェブマネー・リクルート・サイバーエージェント・アマゾンで勤務後、フリーに。複数社の社外取締役やデジタルハリウッド大学院の客員教授として活動.。コンサルティング・勉強会・執筆に従事。
主な著書に「ウェブ分析論」「ウェブ分析レポーティング講座」「漫画でわかるウェブ分析」「Webサイト分析・改善の教科書」「あなたのアクセスはいつも誰かに見られている」など。
※KOBITブログでは、毎月1~2本程度、小川卓さんに記事を寄稿いただいております。
どれも興味深い記事となっておりますので、ぜひ他の記事もご覧下さい。
→小川卓さんによる寄稿記事を読む


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