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「Google アナリティクス 360」に追加された高度な解析機能「Google Analytics Analysis」を紹介

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小川卓です。有料版Google アナリティクスである「Google アナリティクス 360」に「Google Analytics Analysis」が追加されました。

Introducing Advanced Analysis in Google Analytics 360

こちらの機能は有料版のみの機能提供となり、新たに3つのレポートが追加されました。それぞれの内容を確認してみましょう。レポートはGoogle アナリティクスのメニュー内にある「分析」からアクセスが可能です。

探索レポート

本レポートでは、自由にディメンション・指標・セグメント・フィルタなどを追加してレポートを作成することができます。「変数」のメニューから追加したい項目を選んで、隣にある「セグメントの比較」「行」「列」「値」などに追加を行います。

それぞれの項目に対して最大4種類の項目を追加することが出来、自由に順番を変えることが出来ます。上記の画像は4つのセグメント、4つの行、1つの列、4つの値を入れてみました。カスタムレポートと似ていますが、項目の自由度も高くなり、表のセル内にヒートマップや棒グラフなどを追加することも可能となりました。

更にセルを右クリックするとメニューが現れ、いくつかの設定を行うことが出来ます。

上から順番に「該当条件だけを表に入れる」「該当条件だけを表から除外する」「セグメントを作成する」「オーディエンスを作成する」「該当条件にマッチするユーザーエクスプローラーレポートを見る」となっております。後者3つは該当するGoogle アナリティクスの画面に遷移します。

なお表形式以外にも、データは折れ線グラフと円グラフで表示することが可能です。

セグメントの重複

2つ目に紹介するのが「セグメントの重複」レポートです。これは名前の通りのレポートで、今までGoogle アナリティクスで出すのが面倒な数値の1つでした。

本レポートでは最大3つまでのセッションの「ユーザー」の重複とそれに紐づく指標を見ることができます(試してみた限り「セッション」の重複は確認できませんでした)。先ほどのレポート同様に値やフィルタなどを追加することが可能です。

ベン図のそれぞれの数値を出すことができ、非常に便利な機能です。上記で表示されている列には「デスクトップ全体」「デスクトップのみ(つまりリピートと購入を除いたユーザー」「デスクトップかつリピートユーザー」のような組み合わせも確認できます。

ちなみにデータは共有をしたり、CSV/TSV/Google Spreadsheetにエクスポートが可能です。共有は編集権限が必要となり、エクスポートに関してはグラフ部分はエクスポートされません。

ゴールプロセスの分析

最後に紹介するレポートは非常に強力な機能です。一言で言えば「ゴールフロー」と「セグメントのシーケンス機能」が合体したようなレポートです。以下、レポートの例です。

各ステップ(ページに限らず、シーケンスと同様に自由にディメンションや指標を使うことが可能)を選択して、そこにたどり着いたユーザー数と寛容率・放棄率などを確認することが出来ます。本レポートも調べた限りではセッションではなくユーザーの遷移になります。そしてフィルタやセグメントなども自由に追加することが出来ます。

またステップに関しては最大10ステップまで追加出来るようになっています。以下が、ステップの作成画面になります(上の画面の「ステップ」の横にある鉛筆アイコンを押すと表示されます)。

まとめ

今まではGoogle アナリティクスの画面では設定が手間、あるいはできなかった集計や分析が出来るのは大変ありがたいです。ただ今まで以上に、ディメンションや指標を組み合わせたときにどういう数値がどういう定義で出てくるのか、そして仮説を立ててから利用する必要がありそうです。

※Adobe Analyticsを利用したことがある方は「Workspace」に似た機能だという印象を受けるかと思います。機能的には近いのですが、Google Analytics Analysisでは表に直接項目を追加したり、表のコピーをしたり、追加できるウィジェットの種類が少なかったりなど、まだ違いがありそうです。

 

 

小川卓 プロフィール画像

【著者プロフィール】

小川 卓(おがわ たく)

ウェブアナリストとして、マイクロソフト・ウェブマネー・リクルート・サイバーエージェント・アマゾンで勤務後、フリーに。複数社の社外取締役やデジタルハリウッド大学院の客員教授として活動.。コンサルティング・勉強会・執筆に従事。

主な著書に「ウェブ分析論」「ウェブ分析レポーティング講座」「漫画でわかるウェブ分析」「Webサイト分析・改善の教科書」「あなたのアクセスはいつも誰かに見られている」など。

※KOBITブログでは、毎月1~2本程度、小川卓さんに記事を寄稿いただいております。
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