KOBITブログ

サブスクリプション型ビジネスはマーケティングの在り方をどのように変えるか

この記事は約 5分 で読めます。


サブスクリプション型ビジネスへの移行はマーケティングの在り方を変える

サブスクリプション型のビジネスモデルが急激な成長を見せています。サブスクリプションとは継続課金型の事業を指し、動画配信サービスNetflixやニュースアプリNewsPicksのような定額を支払ってサービスを受けるものが代表的です。最近は、クルマを所有せずに利用するカーシェアリングや、毎月洋服や化粧品が配達されるサービスなど、モノのサブスクリプション型ビジネスが増えてきています。

米国の調査では、サブスクリプション型の事業を展開する企業は、S&P500企業よりも5.5倍早く成長していると報告されました。デザイン系ソフトウェアに強みを持つアドビ社は、売り切り型の事業形態を大胆にサブスクリプション型へ移行させたのが良い例です。同社は2016年に過去最高収益に達し、その78%はサブスクリプションから利益を得ていました。

サブスクリプション型のビジネスは平均してLTV(顧客生涯価値)を約3倍へと押し上げ、利益率の上昇に貢献します。ユーザーにとっても、初期費用を削減し、必要な分だけサービスを利用できるため、コストを最適化できる場合が多くなります。

売り切り型の事業からサブスクリプションへの移行は、料金体系を変更するだけで済む類のものではありません。実際は、マーケティングの考え方や顧客との関係性、製品開発の方針が大きく変化し、ビジネスモデルを再考する必要があるのです。

解約率を低く保ち、顧客推奨度を高めることがサブスクリプションの利益を押し上げる

従来のモノを売るビジネスモデルでは、販売数の増加がビジネスを拡大する最終的な手段でした。そのため、メディアに広告を出稿し、認知を高め、購入を後押しすることで売り上げを伸ばします。AIDMA(注意・興味・欲求・記憶・行動)といった購買行動モデルやマーケティングファネルを前提に、見込み顧客を教育するのがマーケティングの役割です。

一方で、サブスクリプションでは、顧客にサービスを長い間使ってもらうのが売り上げ拡大の手段となります。初期投資を省き、無料または安い値段でサービスの利用を促し、その後、解約率をいかに低く保つかが利益率に大きく影響します。顧客との良い関係を保つため、充実した顧客サポートや魅力的な価格体系が満足度を高めます。マーケティングの指標は、既存ユーザーが見込み顧客を誘引してくれるよう、顧客推奨度(ネット・プロモーター・スコア)やソーシャルメディアでの共有が重要となってきます。

パーソナライゼーションやキュレーションを追求するのが成功の鍵

顧客との関係深化においては、パーソナライゼーション抜きには語れません。その顧客に合わせて最適なアプローチを行い、顧客満足度の向上を図ります。Netflixのような動画配信サービスで、過去に閲覧した動画に合わせて、気に入りそうなコンテンツを推薦してくれる仕組みはパーソナライゼーションの一例です。さらに、店舗やWebサイトなどの複数のチャネルがからむ事業であっても、顧客の情報を統合し、どの接点であっても、取り引き履歴や顧客サポートの経緯が共有できるようになっていれば、顧客体験の向上につながります。

情報過多な時代にあるユーザーは、モノを選択するのに疲れています。サブスクリプションが流行しているのは、優れたモノを収集・推薦してくれるため、何かを選択する手間が省けるという側面があります。上記Netflixの例でも分かる通り、「キュレーション」に優れたサービスは、ユーザーからの評価が高い傾向にあります。

顧客満足度の向上には小さな「驚き」が効果を発揮すると言われています。例えば、毎月洋服が配達されるサービスであれば、その都度、時季に応じたメッセージが同封されていると受け取った顧客は嬉しい気持ちになるでしょう。予測可能なサービスに、ほんの少しの予測不可能な部分を混ぜることで、新たな体験を友人・知人にシェアしたくなるものです。

まとめ

サブスクリプション型ビジネスは顧客生涯価値を高め、利益率の上昇に貢献します。しかし、価格体系を変えるだけでは売り切り型の事業からの転換は難しく、マーケティングや顧客との関係性を大きく見直す必要があります。解約率を低く保ち、既存顧客が新規顧客を誘引するような関係性の構築が、サブスクリプション型ビジネスを成功へ導きます。


CATEGORY:
まずは無料ユーザー登録。
すぐに始められます。