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働き方改革は次のステージへ!従業員体験「エンプロイー・エクスペリエンス」の価値

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従業員を大切に扱う企業は、顧客も大切に扱うことができるという発想

「顧客第一ではなく、従業員を第一に考えるべきだ。会社が従業員を大切に扱えば、従業員は顧客を大切に扱ってくれる。」英ヴァージン・グループ創業者リチャード・ブランソンの言葉です。顧客との接点が多いサービス業では特に、従業員の満足度が顧客に伝わってしまうため、サービスレベルに大きく影響します。また、職場でストレスを感じていたり、会社から大切に扱われていないと感じたりする社員は、離職や職場での事故の増加につながります。

人手不足が報じられ、また、世界的な人材獲得競争が起こっている中、優秀な社員を維持できるかどうかは、企業の競争力に大きく関わります。ソーシャルメディアで社内の実状がすぐに広まってしまう現状では、悪評を持った企業は、採用に苦労するようになるでしょう。また、転職が珍しくなくなった若い世代は、従業員満足度を高める施策を続けなければ、すぐに離職してしまいます。会社に残ったとしても、生産性の低下、欠勤・遅刻の増加、学習意欲の低下といった結果を招きます。

従業員の企業内での体験を向上させる取り組みは「エンプロイー・エクスペリエンス(EX)」として注目されるようになりました。これは、顧客体験(CX)やユーザー体験(UX)を参考にして提案された造語であり、従業員の環境整備を通じて、生産性向上を目指します。具体的には、仕事の割り当て、社員とのコミュニケーション、ハード・ソフト面での環境整備などが含まれます。また、給与や福利厚生といった分かりやすいものから、個人のモチベーション・内的動機付けといった見えにくいものまで対象にしているのも特徴です。

入社から退職まで、キャリアや人間関係、テクノロジー面で従業員の支援を継続する

エンプロイー・エクスペリエンスは人事部門だけの問題ではありません。社員の生産性や採用・育成にかかるコスト等が関係するため、経営陣を巻き込むべき経営課題です。エンプロイー・エクスペリエンスの分析は、ユーザー体験と同様に、体験の開始から終了まで、その活動と、その時々の感情を明らかにするところから始めます。入社時の研修、育成、異動、転勤、出産、育児、退職といったイベントごとに、理想と現実を明確化します。

エンプロイー・エクスペリエンスの向上には、必要なツールの導入が欠かせません。例えば、分かりにくい社内向けWebサイトに情報を掲載していても、それを必要としている社員には届きません。検索で簡単に見つけられるようにしたり、よくある質問をまとめたりして、従業員の体験をより良いものにします。

ユーザー体験の向上においては、画面のどこをクリックしたとか、ログインの頻度が落ちているとか、細かい指標を置いて、その良し悪しを判断します。従業員の体験を考える上でも、同様に、指標を分析して、満足度を図るべきです。従業員向けツールの利用状況を始め、生産性や離職率を定期的に確認し、エンプロイー・エクスペリエンスの実装を行います。

マイナス面を是正する働き方改革から、満足度を高める従業員体験の向上へ

民泊サービスAirbnbは、働きやすい企業として世界的に有名です。エンプロイー・エクスペリエンスの名を冠した部署を配置し、職場環境の整備に尽力しています。健康的な社食の整備から、生産性を高めるような最新コンピュータの提供まで、あらゆる従業員の体験を改善する取り組みを行っています。

日本の働き方改革では、残業を減らすといったマイナス面を是正する取り組みに焦点が当たっています。それでも、育休明けに転勤を強いられるといったハラスメントが報じられるケースも残っています。マイナス面を無くすのはもちろん、プラス面を整備する施策もエンプロイー・エクスペリエンスには必要です。エンプロイー・エクスペリエンスを無視する企業は、人材獲得や生産性維持に苦労し、今後、競争力を失っていく結果に陥るでしょう。

まとめ

エンプロイー・エクスペリエンスは従業員が働きやすい環境を整備し、生産性の向上や離職率の低下につなげます。労働法規さえ守っておけば、社員に厳しい措置を取っても良いという時代は終わりました。人材獲得が企業の競争優位を左右する現代のビジネス環境では、エンプロイー・エクスペリエンスの維持・向上が大きな意味を持つようになるでしょう。


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