KOBITブログ

ユーザビリティテストを実施する意義と、それを計画するステップ

この記事は約 5分 で読めます。


ユーザービリティについて、システムを設計した本人が評価するのは難しい

使い勝手の悪いシステムは、それを利用するユーザーが、目的を達成できず、いらだちを覚えるケースが多く見られます。どのように操作すれば次のステップに進めるのか、ボタンの配置やアイコンの意味は設計者の意図通り伝わっているか。作成したWebサイトやWebサービス、アプリを上記のような視点で評価するのは容易ではありません。

使い勝手は誰にとっても同じではなく、ユーザーによって感じ方が異なる主観的なものです。例えば、企業の購買担当者にとっては自明な内容でも、B2Cサービスの利用者にとっては意味が通じないのは当然と言えます。そのため、使い勝手の評価は利用が想定される層に近い人によってなされるべきです。設計者とユーザーの知識レベルや経験が異なる場合、ユーザーに近い利用者からのフィードバックが必要になります。

ユーザビリティテストは、システムが使いやすいかを確認するための手法です。例えば、Eコマース・サイトであればユーザーの目的は商品を購入することになりますが、その目的を達成するために妨げとなる要素を分析し、サイトの改善につなげます。アクセス解析ツール等での分析よりも、ユーザーが抱く疑問や目的が達成できなかった理由が聞けるため、改善のアイデアに直接結びつけやすくなるのがメリットです。

ユーザビリティテストを反復的に実施し、具体的なサイト改善へつなげる

ユーザビリティテストは新たにシステムを開発する前段階から実施される場合があります。製品が完成する前でも、プロトタイプとして作成した画面や、場合によっては紙に書いたイメージ図でも、ユーザビリティテストは実施可能です。また、製品開発中や開発後にフィードバックを得て、改善につなげるケースもあります。

ユーザビリティテストで取得するデータは、定量的なものと、定性的なものの双方があります。定量的なデータとしては、テスト被験者がシステムを使用して目的を達成するまでに要した時間や、画面をクリックした回数・間隔・頻度といったものが考えられます。テスト被験者の数が多ければ統計的な解析を行い、その傾向を明らかにすることができます。一方、定性的なデータとしては、ユーザーのとった行動のログや発した言葉・感想が含まれます。

ユーザビリティテストは、テスト被験者がテスト会場を訪問し、モデレーターの指示に従って実施するのが一般的でしたが、最近ではビデオ会議システムのようなものを使って、リモートでもユーザビリティテストが行われるようになってきました。後からでもテスト被験者の行動が理解できるよう、Web画面を録画しておく機能を使うと便利です。また、モデレーターが操作を指示する場合、被験者は現在考えている内容を口にするようにして、どの瞬間に何の疑問や不安を抱いているかを伝える手法が一般的です。

5人のユーザビリティテストから使い勝手に関する85%の問題を特定できる

ユーザビリティテストの実施には、事前の計画が重要です。システムのどの部分を対象にし、ユーザーの目的は何であり、どのように被験者に説明するのか、といった手順を明確にします。必要な被験者の人数は場合によって変わりますが、セグメントごとに5人、あるいは、全体で15人といった規模が推奨されています。Nielsen社の調査では、一回のテスト・サイクルごとに5人のユーザビリティテストを行えば、85%の問題は発見できると報告されました。発見された多くの問題の中から優先順位付けを行い、重要なものから修正した上で、再度、ユーザービリティテストを実施する流れとなります。

ユーザビリティテストの結果はレポートとして、まとめられます。社内で使う資料であるため、長いものである必要はありませんが、定量的・定性的なデータから導き出される結論を明確にする必要があります。反復的に実施されるテストから、どのように修正を行ってきたかが追跡できると、システム開発プロセス全体を通じて、使い勝手に関する知見を蓄積していくことができます。

まとめ

システムの使い勝手は、利用するユーザーが感じる主観的な評価に基づきます。ユーザー層とシステムの設計者に知識や経験の面で違いがある場合、設計者自身がユーザビリティを評価するのは難しく、ユーザビリティテストを通じた反復的なフィードバックが必要になります。


CATEGORY:
まずは無料ユーザー登録。
すぐに始められます。