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リーンUXの検証サイクルを通じて、ユーザーにとって価値ある製品を開発するには

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リーンUXは、ユーザー体験に関する仮説検証を繰り返し、ユーザーにとっての価値を追求する

近年、ユーザー体験の重要性が増しています。無数のWebサイトを目にする目の肥えた消費者が使いやすいと感じるWebサイトは、ユーザーが本来の目的を達成できるものです。同時に、企業にとっても、使いやすさはユーザーをひきつける要因となります。そこで、ユーザー体験の分析・改善のため、様々な方法論が提案されてきました。中でも、リーンUXは効率的に質の高い製品を開発する方法論として期待されています。

リーンとは、トヨタのカンバン方式等に見られるような、無駄を省くプロセスを意味します。ユーザー体験(UX)の開発に、このリーン・アプローチを適用するのがリーンUXです。リーンUXでは、ベンチャー企業の立ち上げ期において新しい製品開発を行うための方法論リーンスタートアップに影響を受けています。これらの共通点は、反復的な開発によってユーザーのニーズを検証し、少しずつ完成品に近づけていく点です。ユーザーにとっての価値を中心に置くことで、価値のない製品を作ってしまう無駄を防ぎます。

リーンUXの特徴は、プロトタイプを早期に作成し、仮説検証を行う点です。場合によってはWebサイトを作成せずとも、紙に描いた絵でもユーザーの使い勝手は確認できます。このように価値検証を行うために最低限の機能のみを実装したものをMVP(ミニマム・バイアブル・プロダクト)と呼びます。最終製品の開発を待たず、MVPの修正・改善を繰り返すのがリーンUXの開発プロセスです。

リーンUXで求められる「考える」「作る」「検証する」の仮説検証サイクル

リーンUXは、考える・作る・検証するのステップを一つのサイクルとして、反復的にユーザー体験を作りこんでいきます。「考える」段階では、ユーザー体験に関する仮説を立てます。ある特定のペルソナが何のニーズを欲しているかという文章で表現され、例えば、「主婦として、洗濯物を素早くたたみ、家事の時間を削減したい」といったものです。ここでは解決策やシステムの機能に入り込みすぎず、ニーズの理解に努めます。

「作る」ステップでは、前述の仮説を検証するプロトタイプを作成します。仮説が合っていなければ方向転換しなければならないため、できるだけ少ないコストでMVP(ミニマム・バイアブル・プロダクト)を作成するようにします。始めからWebサイトを完璧に仕上げるのではなく、Twitterのツイート、Eメールの文面、オンライン・アンケート、Google Ads広告、Facebookページ、一枚もののランディングページといった簡単なフォーマットで作成できるものがMVPの候補となり得ます。

「検証する」のステップでは、作成したプロトタイプに関するフィードバックを収集します。会社を立ち上げたばかりであれば友人・知人にお願いしても良いでしょう。利用するユーザーに近い層からフィードバックを得られるのが望ましいですが、場合によっては、社内の別部門の従業員に協力してもらうケースもあります。検証結果は、もともと立てた仮説に影響を与えます。仮説が合っていれば、より詳細なユーザー体験の設計を進め、仮説が間違っていれば、修正を加えた上で、次のサイクルへ移っていきます。

未完成の製品を徐々に改善していくプロセスには、組織や企業文化の変革が必要

リーンUXの考え方は、Webサイトやアプリはもちろん、オフラインで使用する紙の資料や、店舗設計等にも応用が可能です。反復的なフィードバックによってユーザー体験に関する仮説を検証していくサイクルは、長い時間をかけてユーザーのニーズに沿わない製品を開発するのを避け、無駄を省くことができます。

完璧な製品を開発してから顧客に見せる方法とは、全く思想が異なるため、組織内でのコミュニケーションには注意が必要です。管理職や意思決定者があらゆるリスクを排除するまで顧客に見せたくないと考えたり、ユーザーが求めていない機能をエンジニアが追求してしまったりする場合、リーンUXの開発プロセスは成立しません。新しくリーンUXを導入する組織では、その文化を根付かせるところから始める必要があります。

まとめ

リーンUXは、仮説検証を繰り返し、ユーザーにとって価値ある製品を開発するプロセスです。ユーザーが求めていない製品に多くの時間やコストを費やしてしまうのを防ぐのがメリットです。リーンUXに慣れていない組織では、その方法論について全員が理解を深める必要があります。


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