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4Pと4Cとは?Webマーケティングの基本フレームワークを学ぼう⑤
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株式会社クリエイターズネクストの窪田です。
今回は4Pと4Cについての解説シリーズ5回目です。前回は4PのProduct(製品)の視点を変えることで大ヒットにつながった事例についてお話しました。
今回は、4Pと4Cそれぞれのフレームワークを照らし合わせて、つながりを深く考えてみることで、新たな可能性を見出す方法について事例を交えながら紹介していきます。
4Pと4C をつなげたacure (アキュア)の成功事例
ここまでのおさらいとして4Pと4Cがどのようなものだったか表にまとめました。
4P | 4C |
---|---|
Product(製品) | Customer Value(価値) |
Price(価格) | Customer Cost(コスト) |
Place(流通) | Convenience(利便性) |
Promotion(プロモーション) | Communication(コミュニケーション) |
今回は、この中でProduct(製品)とCustomer Value(価値)を結びつけて成功した事例として、JR東日本グループが展開する飲料ブランドのacure (アキュア)を紹介します。
acure (アキュア)シリーズの中にはFrom AQUA (フロムアクア)というペットボトルの水があります。
このフロムアクアは「持ち歩きたくなる水」をコンセプトに、開けても落ちないキャップというのが最大の特徴です。
ここまでは4PにおけるProduct(製品)の部分なので、落ちないキャップというだけではどのような価値があるかは分かりません。
そこでacure (アキュア)では、落ちないキャップの価値についてHPや車内CM等で伝えることにしました。
例えば、acure (アキュア)の公式HPには、落ちないキャップの価値について、このように記載されています。
From AQUAは朝、乗車前の発駅で購入し、移動中の飲用シーンが多いため、「持ち歩きたくなる水」をコンセプトに国産初となる“落ちないキャップ”採用のペットボトルを使用し、便利さを追求しました。
180度以上開いてしっかりと固定することで、顔にも当たらず移動中の飲用に便利です。
電車での移動の際はもちろん、手がふさがりがちなショッピングやトレッキング、スポーツ観戦等、日常の様々なシーンでキャップを落とす心配がありません。
このようにマーケティングにおいては、Product(製品)の価値をユーザーに説明することも非常に重要とされています。
例えば、今回の例で言えば「落ちないキャップ」と言われても、自分が落とさないと思っていれば特に感じることはありません。
しかし、
- 自分じゃなくて子どもだったら落とすかもしれない
- コンサートで盛り上がっている時にこぼれる不安がない
- わざわざキャップを外さなくてもいいから面倒ではない
こうした様々なシーンを訴求することで、その製品の価値を納得してもらえるわけです。これが4Pと4Cをつなげるということなのです。
開発者が陥りやすい間違った製品の価値付け
一見すると当たり前のように思える製品と価値をつなげる必要性ですが、こと製品を愛してやまない研究者や作り手・職人といった側は、つい製品の良さを語ってしまいます。
その際に往々にして起こりやすいこととして、
「他の製品と比べて5倍の〇〇力があるんです」
と言ったことを語りがちです。
しかし、その「5倍の〇〇力」という商品の良さは、消費者が求めるものとは全く異なるものであることがほとんどです。
もし本当にそのアピールポイントを伝えたいのであれば、なぜそれが消費者にとって嬉しいものなのか、どういった状況で利便性を発揮するのかとったことを、しっかり価値として提示することが大事です。
裏を返せば、仮に価値として提示できないようであれば、製品のマーケティング戦略が間違っていると考えるべきなのです。
まとめ
今回は4Pと4Cをつなげて製品の価値を消費者に訴求することの重要性についてお話しました。4Pと4Cというフレームワークは別々に捉えるのではなく、それぞれ照らし合わせながらマーケティングを考えていきましょう。
次回は、4Pの中でPlace(流通)に着目したマーケティング戦略について考えていきたいと思います。


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