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4Pと4Cとは?Webマーケティングの基本フレームワークを学ぼう⑦
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株式会社クリエイターズネクストの窪田です。
4Pと4Cについての解説シリーズ7回目です。前回は4PのPlace(流通)をちょっと変えるだけで、全く新しいアプローチができることついてお話しました。
今回は4CにおけるCustomer Value(カスタマーバリュー)とは何かについて、詳しく解説していきたいと思います。
目次
ミルクシェイクで考えるCustomer Value(カスタマーバリュー)とは
アメリカの実業家であり、経営学者でもあるクレイトン・クリステンセン氏が書いた『ジョブ理論』[1]の中で書かれているファストフード店でのミルクシェイクを事例にCustomer Value(カスタマーバリュー)の理解を深めていきたいと思います。
ジョブ理論を要約すると、
「全ての商品は、何かの仕事を片付けてくれる仕事、また物である。従って、商品を雇用しよう」
という考え方になります。
このジョブ理論に基づくと、ミルクシェイクの価値とは一体何だったのでしょうか?
ドライブスルーではなぜかミルクシェイクばかり売れる
クリステンセン氏の研究チームは、ファストフード店のドライブスルーで、商品の購入調査を実施したところ、
なぜか主役のハンバーガーではなく、同じ飲み物でもコーラではなく、オレンジジュースでもない。ドライブスルーでは売れるのはミルクシェイクばかりということに気づきました。
これは一体なぜなのか、ミルクシェイクを購入するお客様にインタビューを重ねてみたところ、意外な答えが見つかったのです。
物を選ぶのではなく、価値から物が選ばれる
ドライブスルーでは、運転しながら食べたり飲んだりしたいと考える購入者が多いですが、そうした人たちが商品選びで重要視することは、
「移動中に手持ち無沙汰にならない、長く持つ飲み物が良い」
ということが分かったのです。
そういった視点で商品を考えると、ハンバーガーやオレンジジュースではすぐ食べ終わってしまうし、かといってスニッカーズのような高カロリーなものは避けたい。
そう取捨選択していくとミルクシェイクがベストセレクトだったのです。
つまり、「運転中の左手にぴったり」という価値で物が選ばれる、これがドライブスルーにおけるCustomer Value(=顧客価値)ということになります。
Customer Value(カスタマーバリュー)は変化するもの
また、研究チームは調査を進めていく内に、同じミルクシェイクを購入する際でもCustomer Value(カスタマーバリュー)が時間によって変化することにも着目しました。
例えば、学校の送迎帰りにドライブスルーに立ち寄った親子連れのシーンでは、ミルクシェイクを購入する目的が、自分ではなく子供のためであるということです。
つまり、親が子にミルクシェイクを買ってあげるという「体験」そのものを提供することにCustomer Value(カスタマーバリュー)があるとクリステンセン氏は気づきました。
このようにCustomer Value(カスタマーバリュー)とは、4PにおけるProduct(製品)が同じでも価値が変わることがある。
すなわち、お客様が求める価値を様々な角度から掘り下げると、製品そのものの価値を見直すきっかけにつながるということになります。
このように4Pと4Cという使い方次第で、様々な発見ができるフレームワークになります。
次回はPrice(価格)とCustomer Cost(コスト)の要素において、極端に安い値段を設定して新たなアイデアを発掘する方法をお伝えします。
参考文献
[1] ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム


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