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なぜ流行らない…キャズム理論から学ぶ大流行の波に乗せる3つの手段
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iPhoneが初めて発売された頃、あなたはどんな反応をしたでしょうか? 発売初日から列に並びました?みんなが持ってるから買いました?最後までガラケーを使っていましたか?
一部の新しいもの好きな人と、みんなが持ってるから買ってみようかなという人の間には大きな溝があり、これがポッと出てすぐに無くなってしまう商品とみんなが知っていて持っているのが当たり前、な大流行とのカベとなっています。
今日はその「みんなが持ってる」モノにするためのマーケティングを理論と事例を交えてご紹介します。
目次
「みんなが持ってる」にたどり着くまでの溝(キャズム)とは?
米国エベレット・M・ロジャース氏の「イノベーター理論」では、新商品が市場に出された際の消費者の商品購入への態度により、消費者の状況を5つのグループへと分類することができるとしました。
- イノベータ……新しい技術や商品をすぐに取り入れる人(全体の2.5%)
- アーリーアダプター……自身の情報収集から採用し、他の消費者の意思決定の参考材料となる人(全体の13.5%)
- アーリーマジョリティ……慎重だか比較的早く新しいものを採用する人(全体の34%)
- レイトマジョリティ……周囲の口コミなどから判断し、大多数が採用してから採用を決める人(全体の34%)
- ラガード……最後まで保守的で、伝統的な立ち位置なるまで新しい技術や商品を採用しない人(全体の16%)
またこのイノベーター理論から、ジェフリー・ムーア氏は「キャズム理論」を提唱しました。その理論では、そのうち上位16%までの、対イノベーター・アーリーアダプターで構成される初期市場とそれ以降のメインストリームの間には大きな溝(キャズム)があると指摘しました。更に、初期市場を乗り越えてメインストリームへと販売を拡大するためには、アーリーマジョリティへのマーケティングが不可欠であるという論を提唱しました。
これまでに利用されてこなかった、真新しいものを購入する傾向にあるイノベーター・アーリーアダプターに対して、アーリーマジョリティは周囲が使っているかどうか、その上でその商品が本当に役立つものなのかを検討する時間が長くあります。 そのため、この層に対しては、イノベーター・アーリーアダプターからの良い情報、また評判を流すという口コミマーケティングが効果的です。
では、どのようにアーリーマジョリティへ良い評判・情報を流すのが良いのでしょうか? 近年、その口コミに近い形として、インフルエンサー・アンバサダー・エバンジェリストを活用したマーケティングが広がりを見せています。 この3つのマーケティングを利用することは、あなたの商品・サービスがキャズムを乗り越え大流行する手助けとなるでしょう。
では、それぞれのどのような違いがあるのか?またそれぞれの成功例について見ていきましょう。
インフルエンサー・マーケティング
あなたの商品のターゲットとなる層に、大きな影響力を持つ人との協働を通じてマーケティングを行う手法です。ソーシャルメディアの発展に伴い、ユーチューバー、インスタグラマー、ブロガーとコラボレーションしたインフルエンサー・マーケティングが主流となってきています。
DICK’Sの#RunForキャンペーン
2014年に米DICK’Sが展開した#RunForキャンペーンでは、参加予定のランナーが「2014年ピッツバーグ・マラソン」にかける想いを画像や動画でInstagramやTwitterなどのソーシャルメディアに投稿しました。 単にファンの多いインフルエンサーではなく、普段からスポーツへの情熱をInstagramで発信している熱心なインフルエンサーが選ばれたことで、DICK’Sのターゲットとなる購買層を引きつけることを狙いました。
インフルエンサーが発信した185件のコンテンツは、ソーシャルメディアを通じて70万人の人々にリーチしたほか、ソーシャルメディア上のキャンペーンの話題は560万人のユーザーに取り上げられました。
参照:https://influencerone.jp/blog/case-study-dicks
アンバサダー・マーケティング
アンバサダーとは、あなたのブランドや商品の熱狂的なファンで自らその良さを周囲に勧めてくれる人のことです。アンバサダー・マーケティングでは、企業側からアンバサダーという存在に任命することで、ソーシャル上、対面を問わず周りにオススメしてもらいファンを広げていくという手法になります。
ネスカフェアンバサダー
「ネスカフェ・アンバサダ〜♪」というCM、どこかでご覧になったことがあるのではないでしょうか。
結果として、10万人以上のアンバサダー登録者を獲得することとなったこの事例は、アンバサダーに応募して選考を通過すると、バリスタがオフィスに無料提供されるという仕組みでした。
導入した方には、職場などでバリスタを囲んで楽しんでいる様子の写真を投稿したり、アンケートへの協力が求められます。こうしてアンバサダーとなったファンをWebサイトで紹介することで、アンバサダーの声を掲載することや、アンバサダー同士での交流も可能となっています。
そもそもバリスタの販売が目的ではなく、ネスカフェのコーヒーを楽しんでもらうことでコーヒーのシェアを高めていくことが目的であったため、オフィスでの導入への相乗効果を生むことができたようです。
参照:http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20131216/257086/
エバンジェリスト・マーケティング
エバンジェリストとは、特にIT系で注目されている新しい専門家のことで、高度化・複雑化の進むITのトレンドやテクノロジーをわかりやすく解説することを主な役割としています。
evernote
EVERNOTEでは、様々な分野でEvernoteを活用しているユーザーがEvernoteコミュニティーリーダーに就任し、オンライン上での情報発信、オフラインでのイベント開催などの活動を通じてEvernoteの魅力や活用法を伝えています。
参照:https://evernote.com/intl/jp/community/
Bitly
Bitlyでは、自社のツールを利用して、ユーザーが面白くクリエイティブなことを行っている様子をリツイートする形で発信します。多くの場合、TwitterでBitlinkを利用しているユーザーを検索して、Bitlyのブログで彼らの見識を話してもらえないかTwitterでやりとりを交わしているようです。面白い事例とコミュニティを同時に作ることに成功した事例とも言えます。
まとめ
爆発的なヒットを生み出していくために、どうキャズムを越えていくのか。手法は様々ですがビジネスモデルやニーズにあった手法を選択していきたいところです。
ですがなかでも、最もアツいと言われているのがインフルエンサーマーケティング。InstagramやSnapchatなど比較的若い世代が中心として利用しているSNSでのインフルエンサーマーケティングが注目の的のようです。
参照:http://www.itmedia.co.jp/im/articles/0706/01/news142.html
http://marketingland.com/6-quick-steps-jump-start-influencer-marketing-program-188796
http://www.emarketer.com/Article/Influencer-Marketing-All-Its-Cracked-Up-Be/1012230
http://www.adweek.com/socialtimes/10-reasons-why-influencer-marketing-is-the-next-big-thing/623407


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