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コンバージョン率最適化のステップ〜Part2:ファネル分析による課題発見
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前回の記事では、コンバージョン最適化のファーストステップとして、良いコンバージョン率の定義についてご紹介しました。
コンバージョン最適化のステップのこれまでの記事
コンバージョン最適化のステップ〜Part1:良いコンバージョン率を定義する
今回は、コンバージョンに至るまでのプロセスのどこに課題があるのか発見するためのファネル分析について、掘り下げてご紹介していきます。
ファネル分析とは?
コンバージョン率を改善するには、その購買行動や成約に至るまでの経路を分析する必要があります。
例えば、Eコマースサイトに辿り着いたユーザーは、商品一覧から商品詳細へ移り、買い物カゴを訪れ、クレジットカード情報を入力し、購入完了画面まで到達します。この過程の中で、どこに問題があるか特定できれば、対応策が立案できます。
Webサイトのユーザー全体の行動を集計すると、より詳細な問題点が明らかになります。商品一覧を閲覧したユーザーが1000人いたとすると、商品詳細は100人、買い物カゴへ移ったのが10人、クレジットカード情報を入力したのが5人、購入完了したのが3人、という具合です。このように人数が徐々に絞られている様は、漏斗の形状に例えられるため、ファネル(漏斗)分析と呼ばれるようになりました。
ファネル分析では、各ステップの離脱率に焦点を当てます。商品詳細で25%離脱、買い物カゴ完了で60%離脱というような数値を割り出すので、改善案が見つかりやすくなります。
さらに、全ステップの中で最も離脱率の大きいものを改善すると、ファネル全体でのコンバージョン率の向上に最も貢献する法則が知られています。
ファネル分析と購買行動モデル
ファネル分析は消費者の購買行動モデルと照らし合わせて利用されるケースがよく見られます。購買行動モデルとは、消費者が購買に至るまでの心理を複数のステップに単純化したもので、AIDMAやAISASといったものが提案されてきました。
例えば、行動モデルを以下の順に定義したとしましょう。「商品認知⇒興味関心⇒内容理解⇒価値認識⇒購入」この行動モデルがファネルと重ね合わせられるのです。
- 商品認知:ランディングページ
- 興味関心:商品詳細
- 内容理解:価格オプション、ユーザーの声
- 価値認識:買い物カゴ
- 購入:購入完了
ファネル分析によって、例えば、買い物カゴで離脱率が高ければ、ユーザーへの価値認識が十分に伝わっていないという知見が得られます。商品詳細へ進むユーザーが少なければ、興味関心が十分に喚起できていないのです。
ファネル分析を使えば、具体的なコンバージョン率改善の施策が立案できるようになります。
ファネル分析をレポート出力するツール
Google Analytics
ファネル分析を自動で行うには、Google Analyticsの目標到達プロセスが便利です。目標到達プロセスのレポートでは各ステップへ進んだユーザーの数が視覚的に示され、離脱率が自動的に計算されます。各ステップに該当するURLを指定するだけで目標到達プロセスの設定ができ、非常に簡単です。
KOBIT
目標到達プロセスは専門のWebマーケティング担当者向けで用いられるケースが多く見られますが、さらに分かりやすいレポートを生成したり、離脱率の計算を行ったりするには、KOBITが有効です。
上司にファネル分析を説明する場合や、Web制作会社がクライアント向けに報告する場合など、パワーポイント形式でレポートが取得できるので、図表を作成する手間が省けます。ファネル分析に限らず、デバイスごとのコンバージョン率、参照元ごとの流入分析など、多数レポートが出力可能です。
まとめ
コンバージョン率を管理するためにはコンバージョンに至るまでのプロセスの何処に課題があるのかを発見する必要がありました。そこで使える手法が、ファネル分析です。コンバージョンに至る経路での利用ユーザー数の推移を知ることができます。
また、ファネル分析をレポート出力するツールもご紹介しました。うまく活用して、改善までのステップを効率的に進めていきたいところです。
ファネル分析で問題点が特定できた後は、その問題点を解決するための案が必要です。コンバージョン率を高めるための施策はコンバージョン最適化(CRO)と呼ばれ、様々な手法が提案されてきました。次回は、「コンバージョン率最適化のステップ〜Part3:CRO施策のポイント 」ということで、CROの基礎について解説します。


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