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コンバージョン率最適化のステップ〜Part5:CRO海外事例
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これまでコンバージョン率最適化(CRO)のステップをご紹介してきました。
これまでのコンバージョン率最適化のステップの記事
コンバージョン率最適化のステップ〜Part1:良いコンバージョン率を定義する
コンバージョン率最適化のステップ〜Part2:ファネル分析による課題発見
コンバージョン率最適化のステップ〜Part3:CRO施策のポイント
コンバージョン率最適化のステップ〜Part4:CRO成熟度モデル
CROには様々な手法があるため、他社がどのような実験を行ったかを知ることは有効です。今回は、海外で成果が発表された事例を紹介します。
成果を上げた海外事例3選
Sony Vaio
ソニー・ヨーロッパではパソコンの新製品を紹介するためのバナーに関して、A/Bテストを行い、最も成果の上がるものを選出しました。元々のバナーに比べ、色合いを抑え、製品を大きくしたバナーはWebで6%多くのクリックを獲得し、緑色を基調としたモバイル向けバナーは20%のクリック数増加を実現しています。
以下の画像は、A/Bテストが行われたSony Vaioバナーです。(Optimizelyより抜粋)
BliVakker
ノルウェーで化粧品販売を行うEコマースサイトBliVakkerは、ユーザーの決済手続きを簡素化させるため、Facebookのアカウントを使ったログイン機能を提供しました。ユーザーの利便性を高めるためには望ましい施策ですが、同社でA/Bテストを行った結果、驚くべきことにFacebookログインが無い画面の方が3%高いコンバージョンを示したのです。これは一週あたり1万ドルの売り上げに相当します。 たとえ、業界で一般的に良いとされている施策でも、自社の顧客層や製品の性質によっては、良くない場合もあります。どんなユーザー体験であっても自社でA/Bテストを実施し、その効果を確認するのが望ましいと言えるでしょう。
以下の画像は、BliVakkerのFacebookログインのあるフォームです。(Conversionxlより抜粋)
VeggieTales
VeggieTalesは子供向けに人気のある米国のテレビシリーズです。関連商品を販売するEコマースサイトでA/Bテストを試行し、サイトの改善を図っています。中でも特徴的だったのは、決済画面での施策です。画面上部のメニュー画面を決済画面では非表示にすると、訪問者あたりの売り上げが14%増加するという高い成果を上げました。決済時にはユーザーが離脱しないよう、余計なリンクを提示しない方が良いと考えられます。
以下が決済画面の比較画像です。(Optimizelyより抜粋)
まとめ
今回の事例をみていくと、訪問者あたり14%の売り上げ向上など、高い効果を上げた海外事例も存在することが分かりました。そして、バナーのデザインから決済画面の表示項目まで、CROの検討対象は広がっています。
Facebookログインの提供のような業界の常識と思われる施策でも、A/Bテストによって効果の確認をすることでコンバージョン率の最適化につなげていくことができることがわかりました。
次回は、「CRO最適化のテクニック基礎〜CTA,導線,文言をどう変えるか」ということで、CRO最適化の具体的なテクニックのなかでも土台となる、CTA,導線,文言の3つの項目について詳しくご紹介していきます。


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