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ECサイトの中長期発展を目指すなら知っておきたい事例4選
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「1:5の法則」を知っていますか?新規顧客へ商品を販売するのに要するコストは、既存顧客の5倍要するという経験則です。
さらに、「5:25の法則」というものも存在します。顧客離反を5%改善すれば、利益が25%改善されるというものです。ECサイトの利益率はユーザーの継続利用が鍵を握るといっても過言ではありません。
ブランド構築や広告キャンペーンなど、マーケティング活動の多くは新規獲得を目的にしています。しかし、既に顧客になってくれたユーザーに対する施策を組み合わせると、中長期的なECサイトの発展へとつながるのです。
目次
リピート購入の促進
あなたの財布には何枚のポイントカードが入っていますか?ポイント制度のように、既存顧客が再度購入してくれるような動機付け(インセンティブ)を与える施策は、リピート購入を促進します。
実店舗に限らず、ECサイトでも同様であり、上手にインセンティブを設計すると、少ない労力・コストで利益率を劇的に改善する可能性があります。
Smarby:利用継続率を改善するアプリ開発
子供服を割り引き価格で購入できるsmarbyは、期間限定セールを毎日実施し、安く良い物を簡単に購入したいと考える母親から人気を博してきました。このアプリの成否を分けるのは、利用継続率です。
毎日開催しているセールに、できるだけ多く訪問してもらい、多くの商品を閲覧してもらえれば、「衝動買い」あるいはクロスセル・アップセルが実現できます。
同社はユーザーがアプリを使用している間の画面遷移を録画するツールを導入し、ユーザーがどのような手順で商品に辿り着いているかを解析しました。
例えば、商品カテゴリーよりもブランド一覧から商品を選択している点や、商品画像を5枚以上見たユーザーは継続率が高い点などを導き出しています。その結果から、画像の見せ方などを改善し、継続率の向上を実現しました。
BONOBOS:優良顧客限定の送料無料キャンペーンでリピート売り上げ10%拡大
BONOBOSはニューヨーク発のファッション・アパレルECサイトです。同社は、一定金額以上の商品を購入した場合のみ送料無料にする、少し変わったキャンペーンを実施しました。
具体的には、125ドル以下の購入の場合は送料8ドル、125~275ドル未満の場合は送料無料、そして、275ドル以上で送料無料かつ2日以内に届ける速達配送という仕組みです。
送料無料の仕組みが明確になったため、損をしたくないという心理が働いたユーザーは、積極的に「まとめ買い」を行うようになり、顧客単価が向上する結果が得られました。
また、速達配送のサービスにより、複数商品を購入するリピーターの獲得にも貢献しています。結果として、リピート売り上げは10%向上、リピート売上率は60%を超えるという成果をあげました。
カスタマーレビューの活用
商品選定時に「口コミが気になる」のは全体の81.6%、「口コミを参考にして購入を決める」人は全体の39.3%に上るという調査があります。
また、全体の81.0%が「口コミを信じる(信頼できる)」と回答し、「文章がしっかりしている」「自分と同じ考え方である」「同じような年代、立場の人の意見」であることが信頼できる理由としました。
口コミを掲載し、ユーザーの興味を喚起する手法は「レビューマーケティング」と呼ばれ、ECサイトの信頼度を高めるために欠かせないようとなりました。
好意的なレビューが書かれるように良い商品・サービスを提供するのはもちろんですが、否定的なレビューがあったとしても適切に対応していれば、そのサイトの信頼度を高めるのに役立ちます。
他人の評価を気にするソーシャルメディア時代において、レビューは無視できない存在なのです。
クロックス:レビューの活用でコンバージョン率・返品率が大幅改善
軽いプラスチック素材で製造され、穴の開いた特徴的なデザインのサンダルで知られるクロックスは世界的に人気の商品です。豊富なカラーバリエーションやサイズを揃えているため、子供から大人まで、多くの人に愛されています。
クロックスのECサイトでは返品率が高いという課題を抱えており、その主な理由はサイズの間違いとなっていました。
そこで、自社スタッフが実際に履いてみた感想をサイトに掲載し、普段の靴のサイズと比べて大きいか・小さいかといったレビューを公開する施策を実施しました。
レビュー掲載後は、サイズ選択ミスによる返品が10%も低減したと言います。さらに、同価格帯・同色の商品であっても、レビューが掲載されている商品はコンバージョン率が42.8%も高いという驚くべき成果も報告されました。
Flipkart:ソーシャルメディアで1時間以内に苦情へ返信するカスタマーサポート
Flipkartはインドで人気のECマーケットプレイスで、2007年の創業から現在では3万人以上の従業員を有する大企業になりました。Flipkartはソーシャルメディアでの顧客との関係構築に注力しており、インドでは最もフォロワーが多いEC企業です。
例えば、Twitterで同社に対して不満を述べていたり、質問を投げかけてきたりしたユーザーに対して、1時間以内の回答を行っています。さらに、ソーシャルメディアに倉庫の様子を撮影した会社の裏側に関する投稿を行うなど、顧客との距離を近づけるための努力を惜しみません。
ユーザーへ好意的な態度を継続的にとることが会社の成長につながっているのでしょう。
まとめ
新規顧客への販売より、既存顧客にアプローチしていく方がコストは低くなります。加えて、リピート購入を促進していくと、利益率が還元され中長期的な発展につながります。他のユーザーの購買行動へ影響するレビューを蓄積することができれば、ファンを増やすことにも繋がります。


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